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メガガルーラの能力調整 ―― 耐久調整と素早さ調整

どうも。2ヶ月ぶりに戦略記事を更新しに来ました。
2つ前の記事で総合能力指数と努力値振りの原則を出した時点で、自分の大体の理論は示せたから満足していました。努力値振りの基本原則としてはほぼあそこの表に書かれていることが全てです。ただ、『あの表を見ていたら分かること』として、自分で表を眺めていたら気付いたことがあったのでこうして記事にすることにしました。
あ、ちなみに後から調べたら、計算ミスがあったので表は微妙に間違っていました。基本的に自分一人で考えた理屈を載せているだけなので、こういう間違いもあります。結論自体はほぼ変わりませんが、直した表をここに載せておきます。

図3


今回は例としてメガガルーラを扱います。自分の知る限り『最も努力値の振り方に困るポケモン』です。攻防速の全てがそこそこ高いくらいで先制技も積み技も使うという、どこに振るのも悪くないけれど最適解を見つけるのは難しいという類のポケモンです。

kangaskhan-mega.gif
メガガルーラの攻撃力以外の火力……弱点を滅多につけない上に特性の倍率が1.25止まりなので異常に高いということはないが、使う技全てに特性が乗ってくれることを考えれば高い部類であることは間違いない。
メガガルーラの攻撃力……特化してギリギリ200に届かないくらい。
メガガルーラの先攻確率……S100は遅くはないし先制技も使える。猫騙しを普通に攻撃技にカウントしていいことを合わせれば高めではあるか。
メガガルーラのHP……振り方次第だが200前後
メガガルーラのHP以外の耐久力……BDは高めで弱点は1つ。耐性もほとんどないので際立って硬いというほどでもないが、もちろん高い方。

という感じですかね。『全ての能力が中の上から上の下』という恐ろしいほど振り方に困るポケモンです。表と照らし合わせると、

mがそこそこ高い ⇒ Sの価値が増加
Aが200に届かないくらい ⇒ Sの価値がほんの少し減少、さらにほんの少しだけHの価値が減少 
Pがやや高い ⇒ Aの価値が少し増加
Hが200前後 ⇒ 変化なし
H以外の耐久力は高め ⇒ Aの価値が少し増加、Sの価値が少し減少

ほとんど能力の価値が変化しませんね……こういう奴はどんな振り方をしても性能に大差はないんですが、まあAの価値が他よりも少しだけ高いくらいでしょうか? ということでAに極振りするとして、残りをHとSに分配することになります。問題になるのは『耐久力と素早さのバランス』です。 

charizard-megay.gif
リザードンの振り方を考えた時は、あいつは火力がバケモノじみているポケモンですから、一番重要なパラメータが『素早さ』でした。だから、一番重要なパラメータに極振りした後に残るのは『火力と耐久力』。まあ基本はHP特攻です。
そして、表を見ると、『特攻が上がると⇒HPの価値が上がる』『HPが上がると⇒特攻の価値が上がる』という関係があります。つまり、無振りの時点でどちらか片方の価値が高かったとしても、そっちに振り続ければいずれはHPと特攻の価値の等しくなるポイントがあるということです。極振りしても一方の価値の方が高いということも多いですが(速攻型のポケモンは大体そうです)、種族値の制約を取っ払ってしまえれば――要するに252以上振れるなら、『HPと火力』のバランスを取れるポイントが必ずあるはずです。リザードンの場合はそのポイントが実現できるラインにあったのでそこに合わせれば良かった。

一方、ガルーラの場合は一番重要なパラメータが『火力』ということにしました。すると残るのは『素早さと耐久力』です。そしてこの二つの関係については、表を見る限りでは『先攻確率が上がると⇒攻撃の価値が上がる』『HPが上がると⇒攻撃の価値が上がる』です。素早さと耐久力に関しては、片方に振ってももう片方の価値が上がるという関係にはない。つまり、二つの能力の価値が等しくなるポイントが存在しないんです。これが、自分で作った表を自分で表を眺めていて気付いたことです。

まあ考えてみたら当たり前のことで、ポケモンの強さというのは、簡単にまとめれば行動回数×一撃の火力です。行動回数が増えれば一撃の火力の価値が上がり、一撃の火力が上がれば行動回数の価値が増えます。そして、特攻(攻撃力)は一撃の火力に関わるパラメータで、HPと素早さは共に行動回数に関わるパラメータなんです。
凄くざっくりまとめれば、ポケモンの強さというのは『攻撃力×(耐久力+素早さ)』という関係に近いです(実際はもっと複雑ですが)。『攻撃力と耐久力』や『攻撃力と素早さ』ならば片方に振り続ければいずれは2つの価値が等しくなりますが、『耐久力と素早さ』はどちらかに振っても2つの相対的な価値があまり変化しない。

だから、この2つでバランスを取らなければならない状況になったなら、基本的には無振り時点で価値が高いと判断した方に極振りするのが効率がいいんです。この2つの価値に差をつける要因は、表を見る限りではおおむね、『火力』『HP以外の耐久力』です。火力が高いポケモンほど素早さの価値が、HP以外の耐久力が高いポケモンほどHPの価値が上がります。メガガルーラの場合は両方ともそこそこ高いから困りますが、正直、どっちでも大差はないと思います(先制技を使うことをあわせると素早さの価値が少し落ちるので、若干耐久力の価値の方が高いでしょうか?)。BDにも4振りしておくことを考えると、

メガガルーラの能力配分
kangaskhan-mega.gif
H211(244) A194(252) B121(4) × D121(4) S121(4)

または

H191(4) A194(252) B121(4) × D121(4) S151(244)


と、こうなりそうな所ですが、これは両方とも止めた方がいいです
理由を話そうとすると、これまで自分が徹底的に避けてきた議論に踏み込まなければいけません。
すなわち、『特定の相手に合わせた調整』です。

以前にも書いたことがありますが、自分は『~耐え調整』『~を確定一発調整』といった類の調整を一切しません。しかし、『素早さ』だけは『~抜き調整』にすることが多いです。『素早さ』だけは、『特性の相手に合わせた調整』をする意味があるからです。


凄く単純な状況を考えてみましょう。相手は霊獣ランドロス、こっちはメガガルーラの1対1です。相手のランドロスは意地っ張りAS特化、技は馬鹿力を持っています(残りのHPは不明)。こっちのメガガルーラはA特化・BD4振り、残りをHPと素早さに適当に割り振っているとします。

landorus-therian.gif
この勝負に『勝てるかどうか』は問題ではありません。自分が瀕死寸前の状態で相手を倒すくらいなら相手を瀕死寸前にして自分がやられる方が後続が有利、ということはよくあります(特にダブルバトル)。そもそも相手の残りHPが分からない状況でそんな話をしても仕方がないです。
だから勝ち負けの話はしません。ここで議論するのは、単純に、『HPに振って増える、攻撃を耐える回数』『素早さに振って上がる先攻確率』の分布の話です。
要するに下のグラフです。

vsランドロス

こんなのはわざわざグラフにしなくてもみんな分かっている話だと思いますが、HPは無振り~100振りまで連続的にVを上昇させるのに対して、素早さは60振り~76振りの間だけでPを1から0まで変化させてしまいます。ランドロスを意識したときに、余った分を耐久力に回せるので『準速ランドロス抜き調整』に意味はあっても、『特化ランドロスの馬鹿力耐え調整』は、HPに極振りしたのと変わらないんです。
実際にはランドロスだけを相手にするわけではないのでもっと複雑です。下のような仮定を置いてグラフを作ってみました。

・PGLシーズン13ダブルバトルの上位10体を10%ずつの確率で相手にする。
・全員がAS or CS 極振りであるとする
・性格はPGLのデータを参照する
・アイテムは考慮しない
・急所は考慮しない
・技所持率は考慮せず、一律で上位4つの技のみを所持するとする
・リザードンは全部メガリザードンY、メタグロスはメガメタグロスとする


vs PGL上位10体

まあ、仮定が現実から乖離しすぎているのでデータとしての意味はほぼありません。これぐらい単純化して考えないとグラフが作れなかったので前提を置きましたが、CS極振りのクレセリアなんか実際には滅多にいないでしょうし、そもそもPGL上位10体以外のポケモンを全部無視する時点で無理がありすぎます。

ただそれでも、グラフを見れば何がいいたいかは大体分かったと思います。耐久力はどこで振っても多少は耐える回数が増える代わりに、劇的に耐える回数が増えるポイントというのが存在しない。一方、素早さは、振ったことで劇的に先攻確率が上昇するポイントと、振っても一切先攻確率が上がらないポイントが極端なんです。
総合能力指数Zを出した際には、相手の火力も素早さも均等に分布しているという仮定を置いていました。現実においてはポケモンごとに偏りが存在するから凸凹のグラフができあがってしまうわけですが、相手の火力は乱数の幅でブレてくれるので均等分布と大差がないんです。一方、素早さはご覧の通り、偏りの影響がダイレクトに出ます。
もちろん実際にはもっと色々な素早さのポケモンがいるから、このグラフと違ってどの位置でも振れば大なり小なり先攻確率が上がりますが、耐久力と比べれば明らかに『ポケモンの偏り』の影響を受けやすくなっています。

耐久と素早さでは乱数の幅が全然違うんです。きっちり確1のものをきっちり確2にするにはHPを32上げてもまだ足りないことすらありますが、1の差で先手を取られるものを1の差で先手を取れるようにするためには素早さを2上げるだけでいい。耐久力の価値はほぼ連続的に変化しますが、素早さは細かい構造の影響が大きいんです。

別にこれは『耐久力よりも素早さの方が価値が高い』といっているわけではありません。ただ、『素早さは上げることに劇的な効果があるポイントとそうでないポイントが極端だから、特定の相手に合わせた調整をする意味が大きい』という話です。

だから努力値を振る際には、耐久重視で振る場合でも速度重視で振る場合でも、素早さを基準で考えた方がいい。『~抜き調整』『~耐え調整』よりも遥かに意味が大きいんです。

『素早さの調整対象とする相手』の条件に関しては、おおむね下の3つです。
・数が多い相手
・お互いに打点が高い相手
・少し振っただけで抜ける相手

ガルーラの場合は……どうでしょう、攻防両面で得手不得手が少ないポケモンですから、タイプ相性だけでは決めにくいです。まあ例とするなら下くらいの感じですかね。

ガルーラの調整例

breloom.gifbisharp.gifludicolo.gif
H209(228) A194(252) B121(4) × D121(4) S123(20)
準速70族抜き。キリキザン・キノガッサ・ルンパッパと、70族には火力が高く物理耐久が低めのポケモンが多く、素早さを4振り状態から2上げるだけで抜けるので、最低でもここまでは振っておきたいです。

bangiras.gif
H196(124) A194(252) B121(4) × D121(4) S136(124)
最速70族を抜くついでに最速メガバンギラス抜き。けたぐりを持っている場合の選択肢。

landorus-therian.gif
H188(60) A194(252) B121(4) × D121(4) S144(188)
準速ランドロス抜き。冷凍パンチを持っている場合の選択肢。

tapulele.gifcharizard-megay.gif
H181(4) A193(244) B121(4) × D121(4) S152(252)
極振り。『火力が理不尽なほど高く』『物理耐久は低く』『先制技を封じてくる』と三拍子揃ったカプ・テテフは抜きたいポケモンの筆頭ですが、そこまで抜くなら、同じく化け物みたいな火力を誇る準速リザードンと同速ゲーができる所まで振った方がいいだろうという考え方。極振りというのは『自分と素早さ種族値が同じポケモンと同速ゲーができる』という素早さ調整なんです。


まあここら辺は基本好みですが、とりあえず最初に示した2種類の振り方は効率が悪いというのは分かると思います。S121ならばあと16振るだけで準速70族が抜けるのだからそこまでは抜いておいた方がいいし、S151はメガリザードンYにきっちり先手を取られてしまう素早さです。あと1上げることに大きな意味がある素早さなんですから、連続的にしか価値が変化しないHPや火力よりも素早さを上げた方がいい。


以上が今回の記事の内容になります。ざっくりまとめると、
・『耐久力と素早さ』は、一方の数値が上がるともう一方の価値が上がるという関係にはないので、単純に価値が等しくなるポイントが存在しない。
・なので、基本的には無振り時点で価値が高い方に極振りする関係でいい。『HP以外の耐久力』が高いポケモンほどHPの価値が、『火力』が高いポケモンほど素早さの価値が高くなる。
・ただし、素早さは1の差で全てが決まるため、上げることに全く意味のないポイントと大きな価値があるポイントの差が激しい。一方で、ダメージには常に乱数がかかるので、耐久力は連続的に価値が変化するため、上げることに意味がないポイントも大きな価値があるポイントも存在しない。
・以上により、耐久重視で振る場合にも素早さ重視で振る場合にも、耐久や火力ではなく素早さを基準に調整した方がいい。


かつて『ポケモンは素早さ1違うだけで先手後手が決まってしまうゲームです』といった子供がいたそうです。この発言自体は正しいですが、『だから火力や耐久力よりも素早さの方が重要なのだ』と曲解されて伝わっている節があります。『だから素早さは価値の変化が不連続的なのだ』という解釈が正しいです。

次回は……どうするかな。『パーティ構築に関しての理論』で2つほど書きたい内容があるのと、あとは立ち回りの理論に関しても、いくらか理詰めで語れることがあるので、そのうち書こうかと思います。まあ今年度中くらいには上がるんじゃないですかね。
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ジロウ

Author:ジロウ
ポケモンダブル勢。好きなポケモンはヌケニンとチェリム、クチート、あとランターン。
ブログ名通りにポケモンの机上論をつらつら書き連ねる予定。